カーブ系変化球の握り方・投げ方

  • LINEで送る
  • follow us in feedly

カーブは最も歴史の長い変化球です。しかし、実は習得が最も難しい変化球の一つでもあります。
スライダーが全盛期だった1990年代後半から2000年代にかけてカーブを決め球にするピッチャーは少なくなりつつありましたが、近年、再びブームが再来しつつあります。(プロ野球投手のカーブの握り方・投げ方の紹介はページ最下部にあります)

カーブの歴史

世界で最初にカーブを考案したのはキャンディ・カミングスだといわれています。彼はハマグリの貝殻を投げて不規則な軌道を描くことからヒントを得ました。1868年に初めて試合で使ったと本人は話していたそうです。メジャーリーグの記録では、1870年8月16日のブルックリンでの試合とされていますが、このあたりはもう定かではありません。

当時のメジャーリーグは下手投げのルールで手首を固定して投げることが義務付けられていましたが、キャンディ・カミングスが投げるカーブは手首を使っているのかどうか審判も分かりませんでした。そのため、バッターが抗議をしても認められませんでしたが、結果的にその後手首を使っても良いというルールに変更されたのだそうです。

日本で初めてカーブを投げたのは、日本初の本格的野球チーム「新橋アスレチック倶楽部」を作った平岡ひろしだといわれています。彼は1871年からアメリカに自費留学し、ベースボールを学びそのときにカーブを習得して日本に帰国しました。当時彼の元にはカーブを習得したい学生野球の投手たちが、平岡ひろしの元にやってきていたのだそうです。

カーブはその後、プロ野球でも最も一般的な変化球として認知され、1980年代までにはほとんどのピッチャーがカーブを投げていました。1990年代に入ると、フォークボールやスライダー全盛期の時代が訪れ、カーブは一時期影を潜めましたが、近年その効果が再認識されるようになり、再びブームが訪れつつあります。

カーブの特徴

「カーブ」というと「曲がる球」というイメージを持たれるかもしれませんが、実際には「曲がりながら落ちる」、つまり縦方向の変化球であるといえます。

そしてカーブの最も重要な役割はバッターのタイミングをずらす事です。プロ野球投手のカーブの球速はおよそ90㌔から120㌔程度。ストレートが140㌔前後なので、20㌔から40㌔の差があることになります。ダルビッシュ有投手が投げるスローカーブはストレートとの球速差が実に50㌔以上にもなります。

下の動画はダルビッシュ有投手のカーブをまとめたものです。この動画でよく見て欲しいのはバッターの反応です。ほとんどのバッターが見逃したり、中途半端なスウィングで空振りしているのが分かります。

ボールを曲げてバットの芯をずらすことが目的ではなく、あくまでタイミングをずらすことが目的の変化球です。もし草野球で20キロ差も生み出せれば、非常に有効な変化球になります。

カーブの種類

カーブと一言いっても、ピッチャーの数だけ変化の種類があるといっても過言ではありません。逆に、スライダーのような変化をする変化球であっても、その球を投げるピッチャーがカーブといえばそれは「カーブ」だといえます。そのため、変化球一つ一つを命名すること自体あまり意味のあることではありませんが、ここでは一般的に知られた名称について、簡単に説明したいと思います。

スローカーブ

ストレートととの球速差が大きく、変化の大きさよりも緩急を最も重視したカーブ。星野信之投手や今中慎二投手のスローカーブが有名で、80㌔から90㌔台の球速のカーブを指します。最近ではダルビッシュ有投手が有名です。回転をたくさん与えることよりも、リリースの瞬間に抜くことを意識して投げるカーブです。

ドロップ

横の変化よりも縦の変化が大きいカーブを指します。堀内恒夫投手などが有名です。最近では、岸孝之投手が投げるカーブがドロップの変化に近いと言われていますが、あえてドロップといわれるようなことはなくなりました。メジャーでは12to6カーブ(時計の針の12時から6時に落ちてくるような変化をするカーブという意味)といわれることもありましたが、こちらも最近ではあまり使われていません(Breaking ballといわれることが一般的です。ちなみにこの「breaking」とは「止まる」という意味のブレーキではなく、「壊す」という意味の「ブレイク」です。ですので、発音は「ブレーキングボール」ではなく「ブレイキングボール」となります)。最も、この変化の仕方が現代のカーブの一般的な変化の軌道だとも言えます。

指で弾くようにして回転を加えるように教えられることが多いです。工藤公康投手は、ボールを指を弾くだけでボールが天井に飛んでいくほど強い回転を与えることができます(ちなみに、今中投手はこれが全くできません)。カーブを投げるのに絶対に必要な技術ではないのですが、このようにして回転を加えるピッチャーは多いようです。

ナックルカーブ

変化の軌道ではなく、握り方がナックルボールのような握り方ので、このように呼ばれます。メジャーで流行し、元ヤンキースのマイク・ムッシーナ投手が有名です(余談ですが、2004年のメジャー開幕戦が東京ドームで行われた時にムッシーナ投手のナックルカーブが初めて話題になりました。当時実況解説していた江川卓氏がこの変化球のことを良く知らず、その日のスポーツニュースでも「ユラユラ揺れながら曲がる変化球」というような表現をしていたのを覚えています。当時は全く無名の変化球でした)。ナックルカーブを投げていた元オリックスの加藤大輔投手がナックルを投げると話題になったことがありましたが、実は本人もナックルだと思って習得していたそうです。

最近では、五十嵐亮太投手館山昌平投手が投げています。

一般的には、人差し指、あるいは人差し指と中指だけをナックルボールのように曲げて握り、リリースの瞬間にこの指を伸ばすようにしてボールに回転を加えます。ちょうど消しゴムを人差し指で弾くようなイメージです。コントロールが非常に難しいカーブですが、最も強い回転を与えることができる握り方だともいえます。

スラーブ・パワーカーブ

一般的には120㌔前後の比較的球速の速いカーブを指します。スラーブの語源は「スライダー」と「カーブ」の間の変化球という意味で、日本でのみ使用される言葉です。

メジャーでこのスラーブに相当するのが、パワーカーブハードカーブと呼ばれるカーブで、ペドロ・マルチネス投手が有名です(どうでもいいのですが、ペドロ・マルチネス投手のハードカーブの握り方はナックルカーブの握り方なのでナックルカーブのハードカーブだと言えます…。)。

いずれの用語も日本ではあまり使われなくなりつつありますが、(球速が速いという意味で使われる)「パワー」という言葉だけが、他の変化球に使われることが増えつつあるようです(例:パワーシンカーなど)。

[スポンサードリンク]

カーブの習得

一般的には、ピッチャーが一番最初に覚える変化球として挙げられることが多いのですが、ストレートの腕の軌道を基本とするスライダーやチェンジアップとは異なり、カーブは手首を使ってボールにストレートとは間逆の回転を加える必要があります。

そのため最近ではカーブは「最初に覚える変化球」というものでは無くなりつつあるようです。

重要なのは、ストレートと同じ腕の振りで投げることです。球速差を生もうという意識が強くなるとどうしてもカーブを投げるときに腕の振りが遅くなってしまいがちです。

腕の振りが少しでも遅くなるとバッターはボールが出てくる前に判断できるので、カーブの「タイミングをずらす」という効果はほとんどなくなります。今中投手や星野投手のスローカーブが脅威となったのは、ストレートの腕の振りと全く同じだったからです。

プロ野球投手のカーブの握り方・投げ方

大谷翔平投手 カーブの握り方・投げ方

大野豊投手 カーブの握り方・投げ方

大野豊投手 縦カーブ(ドロップ)の握り方・投げ方

岸孝之投手 カーブの握り方・投げ方

工藤公康投手 カーブの握り方・投げ方

黒木知宏投手 カーブの握り方・投げ方

杉内俊哉投手 カーブの握り方・投げ方

摂津正投手 カーブの握り方・投げ方

館山昌平投手 ナックルカーブの握り方・投げ方

ダルビッシュ有投手 スローカーブの握り方・投げ方

前田健太投手 カーブの握り方・投げ方

2014年2月22日公開
2014年11月1日追記

  • LINEで送る
  • follow us in feedly

このページの先頭へ