チェンジアップ系変化球の握り方・投げ方

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チェンジアップは、ストレートと同じフォームからストレートより10㌔~20㌔程度遅く放たれるボール全般を指し、バッターの手元で若干沈むような軌道を描きます。「○○な変化をする」とはっきり形容することはできませんが、単にストレートより遅い球と表現するのもナンセンスです。なぜならこの変化球の最も大きな特徴は、チェンジアップ一つでは変化球とはなり得ないことにあるからです。

チェンジアップの歴史

チェンジアップを最初に投げたのは、ティム・キーフだと言われています。1880年代のことです。彼はチェンジアップを駆使して通算342勝をあげ、1964年には野球殿堂入りを果たしました。

当時のメジャーリーグはピッチャーは下手投げで投じることがルールでした。それが上手投げに変更されてからティム・キーフは投げ始めたといわれています。当時は「チェンジアップ」という名前ではなく、単に「スローボール」といわれていました。

日本でチェンジアップが変化球として認知され始めたのは、実は2000年代に入ってからのことです。当時は阪神タイガースのエース井川慶投手やメジャー帰りの投手が投げている程度でした。それ以前には、広島の大野豊投手が投げていたようですが、当時はシンカーやスライダーの一種のような認識で捉えられていたようです。

その後、徐々にチェンジアップの有効性が知られるようになり、現在では多くの投手が持ち球の一つにあげるようになりました。

チェンジアップの特徴

チェンジアップが他の変化球と異なるのは、「チェンジアップ一つでは変化球とならない」ということです。

例えば、村田兆治投手のフォークボールは「分かってても打てない」と称されるほど、大きな落差を誇りました。また、ランディ・ジョンソンのスライダーは「消える」とまで言われるほど、バッターの手元で鋭く変化しました。このような変化球は例えそれだけを投げていたとしてもバッターがバットに当てることさえ困難なのです。

しかし、チェンジアップはそれだけを投げていたら必ず打たれます。ストレートがあって初めて生きてくる変化球なのです。ストレートとチェンジアップ、これらはセットで「変化球」と考えておく必要があります。カウントや配球からチェンジアップを有効な変化球にしていかなければなりません(このことはもちろん他の変化球にも言えることなのですが)。

下の動画はオリックス金子千尋投手のチェンジアップです。チェンジアップの球速は127㌔。一方のストレートは146㌔。初球からチェンジアップを3球続けて投げ、最後にストレートで空振り三振を奪います。ストレートをずっと待っていたバッターは最後までタイミングを合わせることができませんでした。

この対戦のポイントは二つです。一つ目は、打ち気になっているバッターに初球からチェンジアップを投げたこと。もう一つは、3球目のファウルチップがバックネット方向に飛んだことです。

初球の空振りでバッターがチェンジアップに全くタイミングが合っていないことが分かったので、2球目も外角低めにチェンジアップを投げます。

ところが3球目もチェンジアップを投げたところ、バッターがバックネット方向にファウルチップをします。その直後、金子投手が急いで後ろを振り返っていますが、今投げたチェンジアップの球速を確かめているのです。スピードが速すぎたから当てられたのかな?と思ったのです(実際は126㌔)。

ファウルチップがバックネット方向に飛んだため、バッターがチェンジアップにタイミングを合わせてきたとバッテリーは判断します。そして、4球目は内角のストレートを要求します。これは先ほどまでのチェンジアップでバッターに外角に意識付けさせているので、踏み込むことに意識があるバッターに躊躇させるための配球です。

結果は、逆球の外角ストレートなってしまいましたが、圧倒的な速度の差にバッターは空振りをするのでした。

しかし、この逆球は危険といえば危険でした。ストレートとチェンジアップの差が20㌔もあるとは言え、外角だと踏み込まれて当てられる可能性があったからです。

三振に打ち取った後、金子投手がキャッチャーに向かって何か言っていますが、口の動きから「ごめん」と言っているのが分かります。逆球だったことを謝っているのです。

このようにチェンジアップはストレートと共に配球を組み立てて威力を発揮する変化球なのです。

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チェンジアップの習得

元巨人の桑田真澄氏は小学生に最初に覚えて欲しい変化球は「チェンジアップ」だと話しています。その理由は握り方を変えるだけであとはストレートと同じ腕の振りで投げられるので、体に負担がかからないからです。

カーブやスライダーは手首や腕の使い方が非常に難しく、習得の過程でひじや肩を壊してしまう可能性があるのに対し、チェンジアップはその心配がありません。

チェンジアップの握り方の発想は、ストレート(フォーシーム系など)の握り方からあえて力の入りにくい、あるいは回転のかかりにくい握り方を追求することです。また握る方向によっては、スライダー気味に沈んだり、シンカー気味に沈んだりすることもあります。そしてこれらを自在に操るプロ野球投手も沢山存在します。

桑田真澄氏は5㌔差でも十分効果があると話していたとおり、最近では草野球投手でもよく見られるようになってきました。

みなさんもプロ野球投手の握りを参考にぜひ体に負担のないチェンジアップを習得してみてください。

プロ野球投手のチェンジアップの握り方・投げ方

井川慶 チェンジアップの握り方・投げ方1

井川慶 チェンジアップの握り方・投げ方2

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